建設現場に欠かせないのが作業足場になります。
地下深く掘るときも地上高く建設するときも、工事計画において、その選択は大きなものになります。
コストや工期、作業性、工事環境によって選択します。
枠組足場はコスト面では一番高価なものとなりますが、
組み方はシンプルで工事においても作業性が良く、何よりも安全です。
組み方が複雑になれば事故の原因になりかねず、安全衛生基準法における安全設備との相性も抜群です。
各社における安全基準を満たす上でも枠組足場を選択される方は多いのではないでしょうか。
今回は、安全と作業性の高い枠組み足場について ご紹介します。
枠組足場の利点について
足場の設置する場所が狭い場合、どうしても他の足場を選択する必要が出てきますが、
枠組足場もW=600前後(インチサイズ有)の物がありますので、
本当に狭小な場合でなければ対応可能であることも多いかと思います。
逆にW=1200前後の物を選択し、
ブラケットを追加したり2列以上に並べて使用すると広い作業場所が確保できます。
複数並べて使用すると、ステージとして利用することも出来ます。
フレキシブルに対応できるのも、枠組足場の良さだと思います。
また、仮設構造計算を行う際にも、枠組足場は度々出てくることになります。
積載荷重を確認し、足場としてはもちろんのこと、
コンクリート打設時の枠組み支保工として利用する場合もあります。
この場合、天井高さが高い場合は、作業足場と支保工と兼ねることになります。
積載荷重に関しては、枠のどの部分に荷重がかかるかをきちんとチェックする必要がありますが、
それさえ押さえれば、とても分かりやすく使える支保工です。
(前述したステージも、積載荷重を確認する必要があります。)
枠組足場の利点として、現場全体がスッキリするということも大きくあげられます。
シート割がスッキリし、外観が美しく仕上がります。
仮設の美しさは、周囲に与える安心感だけでなく、
整理整頓が守られることは、工事の安全や品質の向上に繋がります。
道を歩いていて、シートが綺麗に張れていない工事現場を見ると、
とてもがっかりした気持ちになりませんか?
そういう会社に仕事を任せたいと思う人は多くないはずです。
工期短縮に置いても、枠組足場の良さが発揮されます。
単管足場は作業工程が多く、資材も思いのほか多くなります。
メーカーによって、簡単に使える足場も多種でていますが、
安全基準を満たさないものや、安全基準を満たすためには補助の資材が必要になるものも少なくなく、
結果的に枠組み足場にすべきだったということは有りがちではないでしょうか。
ニュースで、工事現場から物を落とし、
通行人に怪我をさせてしまうといったことが聞かれる場合があります。
落下防止のためのアサガオを設置する際も、枠組足場が一番安心です。
足場の組立及び解体時の事故のニュースも耳にします。
枠組足場でもその可能性は否定できませんが、
部材数を考えても、単管等の他の足場に比べれば枠組足場の方が低くなることは言うまでもありません。
社会的な影響は、工事の進捗のみならず、会社の信頼や施主との信頼関係にも大きく影響を及ぼします。
何よりも、人命ほど大切なものはなく、
一般の方はもちろんのこと、工事関係者の命を守ることは工事計画において大きな使命です。
たかが足場と侮ることなく、最適な足場計画をしなければなりません。
その上で、やはり枠組足場を第一と考えた選択を行うことは大切です。
コスト面は、正しい計画をすることでクリアできることもあります。
何事もトータルで見ることが必要です。
安全だけでも、工期やコストだけでも計画は成り立ちません。
枠組足場の可能性を生かして、正しい足場計画を行いたいものです。