工事現場の安全性を高めるための足場工事については、何となく知っているけれど、
詳しい内容までは知らないという人もいることでしょう。
足場には、どのような種類があるかについての情報を丁寧にお伝えしますので、
足場工事への理解を深めるために役立ててください。
足場の主な種類とは？
工事現場の足場は、いくつかの種類に分類されます。
建設現場における足場工事で一般的なものとしては、くさび緊結式足場、枠組足場、単管足場、吊り足場でしょう。
また、天井等の高い場所での設置工事などでは、移動式足場を設置して作業を行います。
くさび緊結式足場
くさび緊結式足場は、ビケ足場とも呼ばれます。
主に、木造建築やアパートといった比較的低層の建物の建築現場において設置される機会が多い足場です。
作業に適した安全性が保たれるうえ、足場の組み立てが比較的簡単に行えて、解体もしやすいため、
足場工事では好んで用いられます。
枠組足場
足場工事のなかでも、一般的な足場にあたるのが、枠組足場です。
枠組足場が広く普及している理由としては、低層建築から高層建築に至るまで幅広い建築物に対応できるという理由があります。
足場には、鉄製の頑丈な部材を使用するため、強度が高く、安全性が高いのも特徴です。
しっかりとした強度がありながら、比較的軽量で持ち運びがしやすい部材であり、
組み立てや解体の足場工事が簡単に行えるところも、枠組足場ならではのメリットです。
そのため、建物の建築工事や橋梁工事といった大掛かりな現場でも枠組足場を設置したうえで、作業を行うケースが多いです。
単管足場
単管足場は、単管と呼ばれる鉄パイプを組み立てて設置する足場です。
単管足場の場合、足場の床になる部材を使わずに単管のみを使って足場を組み立てるため、安全面がやや危ぶまれるという注意点があります。
鉄パイプをベースにして、単管ジョイントや固定型ベース金具といった足場の固定に必要な部材を使って、足場の設置工事を行います。
作業に慣れた職人であれば、単管の上でも作業を行うことは決して難しくありません。
しかしながら、万が一のことを考えて、ほかの足場での作業以上に慎重に作業をすることが求められます。
単管足場は、長期間に渡って作業を行う建築現場というよりは、低層の建築物の外壁塗装や補修を行うために設置される機会が多い足場です。
使用する部材が少なく、コスト面を安く抑えられるのが魅力である一方で、
ほかの足場と比べると組み立てや解体に時間が掛かってしまう点は、デメリットとして認識しておく必要があります。
吊り足場
足場のなかでも、特殊な設置方法をするのが、吊り足場です。
一般的な足場工事は、地面から部材を組み立てて完成させるのが基本です。
吊り足場の場合、地面に設置するのではなく、上部から吊る方法によって足場を設置します。
橋梁やプラントといった地面に足場を設置するのが難しい現場では、吊り足場を用いて作業を行います。
ほかの足場の種類とは？
足場工事の種類としては、移動式足場も挙げられます。
移動式足場は、キャスターが付いていて簡単に移動できるのが特徴の足場で、ローリングタワーとも呼ばれます。
頑丈な床板や手すりも付属しているため、作業時の安全性が確保されやすい足場の一つです。
しかしながら、キャスターが付いているため、足場そのものが転倒してしまう危険性を伴うのも事実です。
転倒を未然に防ぐために現場において安全な操作方法を共有して利用することが必要となります。
おわりに
工事現場の足場工事には、複数の種類があり、現場の特性や作業シーンに合わせて適した足場を設置して作業を行います。
それぞれの足場の特徴や使用上の注意点に関する理解を深めて、より安全性を保った作業を心がけるようにしましょう。
