機械据付はそのまま現場に機械を置けば良いのではありません。さまざまな理由から、水平の位置にこだわって据付を行うべきです。この手間を省くと、あとから大きな事故を招く可能性もあります。
水平の位置を測定する方法は多種多様に用意されており、プロであればそのときに応じて最適な方法を選択できるものです。
機械を水平に据付するべき意味とは
機械据付を水平にする意味は、「再現性を保持するため」です。
傾いたままでは、その傾きを保持したまま機械据付作業を行わねばなりません。
また、多くの機械は機械据付を水平に行うことで性能が発揮されるよう設計されています。そのため、わずかな差分が機械の不具合の原因となり、機械や工具の寿命を縮めることに直結するのです。
機械の「動作性能の維持」のためにも、水平の状態での据付は非常に大切なことといえます。機械据付後も定期的に水平レベルを計測することはよくあることです。
これは、機械の自重や振動、熱などによって位置や高さ、傾きが変わるからという理由があります。特に運搬用の機械据付は小さな傾きが、命取りになることも考えられるものです。
距離が遠くなれば、わずかな高さの差分が大きくなり、運搬に差し支えます。機械組立の際の精度を上げるためにも、水平を確認しながらの作業が大切なのです。
建設現場での機械据付は建築物の高さを管理するために、水平の測定を行っています。主に着工時に確認作業が実施されており、天井の高さ・アンカーボルトの位置・土台の水平確認など、複数の箇所をチェックしたうえで作業を開始するのです。
「原状復帰ができるように水平状態を保つ」ことも、機械据付の大切な役割といえます。
械据付を水平にする方法
オートレベル
レベルとは、地面の高低差などを計測する際に使用される機器のことです。オートレベルは「高さ」と「高低差」などを標準線と自動計測装置で計算し、情報として表示します。
基準点と一定の区間をオートレベルで計測したときに誤差があるときは、高さが一定ではありません。この誤差を調整することで、水平をキープできます。
情報ミスを起こさないためには、計測距離を短めに設定しなければなりません。また、測定ポイントから遠い距離で差分が発生している際は、大きな傾きが生じています。
振動などに弱く精度が狂うことや測定結果が変わることもあるので、大切に扱う必要がある機器です。
水準器
工作機械の機械据付によく使われるアイテムです。気泡式とデジタル式があり、機械の面に置き、固定して使用します。
気泡式水準器は液体を計測器内部に満たし、あえて空気を入れて気泡を設けるタイプです。水平位置に設置または固定することで、気泡が中央に集合します。
デジタル式水準器はX軸とY軸を情報として表示します。振動計が内蔵されており、敏感に地面の高さを感知します。
オートレベルと水準器の併行使用
オートレベル式の計測で数値の調整を行い、気泡水準器式計測で「高さ」と「傾き」を調査する方法もよく見られるものです。気泡水準器で微妙な数値の調整がしやすくなり、オートレベルで検出された傾きを直すことが簡単になります。
気泡水準器は面が水平かどうかを計測することはできますが、対象物の高さの計測は不可能です。それぞれが不得意な分野を補うことで、工事を安心して進められます。
まとめ
機械据付を水平に行う意義と方法が把握できたあとは、的確に作業を行える業者に据付を依頼するよう心がけるべきです。どのような工事なのか、目的と設置面はどこを予定しているかなどを相談しつつ、見積もりを取ると良いでしょう。
単独で計測式を利用できる水平計測器もありますが、大きな工事はプロに任せるほうが安心です。