熱中症対策例
前回に引き続き熱中症の対策例についてご紹介していきます。
適切に休憩を取る
炎天下での長時間の作業は、作業者の体温を上昇させてしまいます。
そこで必要になるのが、適切に休憩を取ることです。
では「適切な休憩」とはどのようなものでしょうか。
まず、休憩の頻度については当日の気温・湿度・風量といった
気候的要因や作業内容・服装といった要因によっても左右されます。
こういった要素を考える為に暑さ指数(WBGT)という基準があります。
以下に環境省が出している暑さ指数についての簡単な解説と
具体的なWBGTの活用方法についての資料を掲載いたしますので参考にしてみて下さい。
休憩の質
単純に作業を止めているだけではあまり休憩の効果がありません。
熱中症を避ける為には休憩時に体温をしっかりと下げる必要があります。
その為には、可能であればエアコンなど空調管理の行き届いた空間で休憩を行うこと
またそれが難しい場合でも、最低限直射日光を避け、
風通しの良い場所で休憩を行う必要があります。
実際に直射日光を遮る設備の無い場所で休憩を行った労働者が
熱中症で死亡する事故も起きていますので
休憩場所の確保は管理者が正しく管理するようにしましょう。
熱中症対策グッズを使う
最近では様々な熱中症対策のグッズが各社から販売されています。
熱中症対策グッズを導入することで、熱中症のリスクは大幅に軽減されます。
ここでは、弊社で実際に導入されている熱中症対策グッズをいくつかご紹介します。
①空調服
扇風機付きの作業服のような商品です。
熱がこもりがちな作業服の中に直接風を送り込むので、体感でかなり涼しく感じます。
導入費用は少し高めですがその効果は非常に高いと言えるでしょう。
②冷感ヘルメットインナー
ヘルメットの中に装着するインナーで、
熱がこもるヘルメットの着け心地を改善します。
また、洗濯可能でヘルメットと直接接触しない為
ヘルメットが臭うなどの夏場の衛生問題も解消しました。
上記のものは実際に弊社で採用し、効果が出ているものですが、
世の中にはこれら以外にも様々な熱中症対策グッズがあります。
熱中症による労働災害のリスクを考えれば、これらの購入費用は
決して高くはないと思いますし、作業環境の向上は業務効率や
社員満足度の改善にも繋がりますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
熱中症対かな?と思ったら
熱中症を疑う症状が出た場合には、決して無理をしてはいけません。
無理してそのまま作業を続行してしまうと、熱中症が悪化して
最悪の事態に発展してしまう危険性もあります。
熱中症が疑われる場合には、次のような応急処置を行いましょう。
涼しい環境に移動する
風通しの良い木陰やエアコンの効いた部屋に移動しましょう。
脱衣・冷却を行う
衣類を脱がせて体内の熱を外に出します。
露出させた皮膚に水をかけ、うちわや扇風機などで扇いだり、
氷嚢で首や脇の下、太ももの付け根などの血流が多い場所を冷やして体温を下げましょう。
水分・塩分補給を行う
水分・塩分の補給を行いましょう。
ただし、意識障害がある場合には水分が気道に流れ込む可能性があるので避けましょう。
また、吐き気や嘔吐の症状がある場合には
既に胃腸の動きが鈍っている可能性が有るので、経口での水分・塩分の補給は避けましょう。
上記の内容を実行しても症状が改善しない場合や、
水分・塩分を自力で摂取できない場合、医療機関で診察を受けましょう。
また、意識障害などの重篤な症状が見られる場合には、すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。
まとめ
毎年、熱中症によって多くの方々が亡くなっています。
熱中症を甘く見ずに、管理者・作業者が共に正しい知識を持って
熱中症対策に当たることで、熱中症による労働災害を撲滅できるよう努めましょう。